牧教授の本格的な研究への参加    

 

  

 これらの研究はTOPページ最初の項目の研究活動のページにその成果が日本機械学会論文集や国際会議のProceedingsに掲載

されている。これらの論文集には学部学生諸君の名前は掲載されていないが、大学院生諸君らと共同で研究を進めた学生諸君の

努力と研究活動に負うところが多い。ここにこれらの参加していただいた卒業生諸君に感謝する次第です。

 ハイポイドギヤは自動車の差動歯車装置に使われているエンジンなどの動力を              車輪に伝える重要な役割を持つ歯車です。差動装置は車がカーブするとき外側

の車内側の車よりやや多く回転して転覆を防ぐ役割を担っています。このアイデア

は天才レオナルドのスケッチに見られます。牧研究室では電気自動車の模型には

この装置の模型をも製作しています。

 このハイポイドギヤの歯切機械ははアメリカ・グリーソン社が世界の市場をほぼ

独占的しています。走行中の性能を歯当たり解析というシミュレーション・ソフトで

予測しつつ工具を製作します。このソフトは内容はブラック・ボックスのまま歯切

機械に付属して販売されてきました。

 歯あたり解析とは,軸角や軸間距離等の歯車の組み立て誤差や加工誤差

の影響で,歯あたりがどのように変化するかを解析的に求めようとするものです。

日本では牧が始めてこの歯あたりソフトをウォームギヤ用に開発し

81年の東京で開催された伝動装置国際会議で報告しました。

 牧研究室ではこの歯あたりの解析を理論計算と実験の両面から進

めてきました。

 歯あたり解析の手始めとして一般的なインボリュートはすば歯車の解析

と実験に取り組みました。この研究はその後雑誌内燃機関に掲載されました.

 更にまだソフトが販売されていなかったB-SPLINE関数を発生させて

歯あたりの解析結果をわかりやすい3-D表現にする研究をも卒業研究で

とりく見ました。この研究成果は卒業研究を行なった学生諸君と連名で

関東学院大学工学報告に掲載されました。

2部学生諸君が卒業研究で汎用旋盤と

フライス盤で製作したハイポイドギヤ

牧研究室で設計し、ハイポイドギヤの有名製作メーカ豊精密(株)で製作したハイポイドギヤ歯あたり試験機パーソナルコンピュータによるインボリュートはすば歯車の歯」あたり解析、学術雑誌 内燃機関 26−329,1987

パーソナルコンピュータによる歯車の設計、関東学院大学工学部研究報告、27−1、1984,3 

 

この研究に参加した昭和60年卒の白取昭浩 君は東北電力に勤務しています。

これらの研究に参加した神永 淳 君は日産自動車の大手の関連企業の大井製作所(株)の開発部に勤務している

中沢 肇 君はトヨタの大手の関連企業の関東自動車工業(株)の設計部に勤務している。

また、加賀爪 哲 君は自動車のシャーシー製造や自社独自の自動をも生産しているプレス工業(株)に勤務している。プレス工業(株)は牧の友人の永井氏が研究部長を勤めていることから中田鮮 君、内田 正和君が勤務している。

 

 

 

修士課程梶山君は2部の学部生のころからワイヤカット放電加工法による工具のせいさくに取り組んでいた。

修士課程終了後日産の大手の関連企業の大井製作所(株)に勤務している、。

住友重機(株)で実用されたワイヤjカット鼓形ホイール加工用ホブ

 

 

 高性能ウォームギヤの開発は牧が東北大学時代から研究を進めており、

そのころからのご縁で歯車の有力企業各社から痛く研究がこの20年間

継続されてきました。卒業研究でも多くの学生諸君がこれらの研究に参加してきました。

右の図は研究の成果が実用されたものをしめします。これらの専用機の設計

性能シミュレーションには学生諸君の

研究成果も生かされているものが少なくありません。

この研究に参加した平成5年卒業の加藤孝治君箱根駅伝に出場した

陸上部のメンバーで卒業式で学長表彰されました。関東学院大学の

関連企業である関東化成株式会社に就職しました。宮崎 碧 君も

同社で働いています。

住友重機械工業(株)で製作した鼓形ウォームギヤの専用機

2部学生でOA機器の大手メーカーに勤務している坪井一幸くんらの設計のアイデアも取り入れられている。

日本ギヤ工業株式会社と共同で開発したリミット・トルク用ウォームギヤ

 

これは鼓形ウォームギヤを転造加工する装置を設計製作したものです。この方法は

現在熾烈な自動車産業界の軽量化戦争の中で電動パワステ用ウォームギヤの開発

に実際に企業が開発に取り組んでいます。

また、当時関東学院大学に設置されたばかりであったワイヤカット放電加工機に

注目し、当時教務職員だった山田秀輔先生と共同で工具鋼を任意形状に加工で

きる性質を利用して、複雑な形状の歯切り工具の製作研究を行なった。この研究は

修士課程梶山君の修士論文のテ−マとしても取り上げ、長く卒業研究のテ−マとして用し、

同時に学生の指導テ−マとしたが、それらの成果を関東学院大学工学部研究報告

に掲載し、最終的にパリの国際会議で論文発表した。 この工具は住友重機(株)、

長谷川歯車(株)で実用された。その後ワイヤカット法で工具を製作することが広く

普及されるようになってきた。  

   写真はこの研究により製作され、住友重機(株)で実用された鼓形ホイール

加工用ホブである。

加工した 製品の精度を測定することも重要な研究課題です。牧研究室に

設置されているミツトヨ製の3次元座標測定機によって開発した様々な歯車

の精度測定の研究も卒業研究に取り上げました。最初は現在岡村製作所

の主任を勤める沼 直樹 君らが取り組みました。

神奈川県産業技術センタの庄司研究員と牧研の4年生

 

熾烈な自動車産業界の軽量化戦争への参加 

 環境問題が深刻化する今,自動車産業では低燃費、低公害のための様々な技術が実用化に向け研究されています。特に,欧州では環境問題に対する意識が高く,環境に配慮した自動車へのニーズが高まっています。そんな中,油圧式から電動式のステアリングシステムへの移行が注目されています。現在パワーステアリングは油圧式が主流であるが,エンジン出力を直接使用して油圧ポンプを駆動するためコンプッレッサを常時稼動させておく必要があります。しかし,電動式パワーステアリングは操舵時のみバッテリー電力を使用するためエンジン出力のロスがほとんどなく,油圧ポンプに替わって電動モータを使用するので重量やコンパクト性において優れており燃費軽減に直結するとして,採用機運が世界的規模で広がっています。現在、自動車のパワーパワーステアリングには、インボリュートギヤ・ラックアン&ピニオン式が広く使われています。図にこれらの卒業研究の目的と油圧式と電動式のパワーステアリングシステムを示します。   

 

牧研究室ではここ数年,修士や学部の先輩達がWNタイプのはすば歯車やかさ歯車をマシニングセンタで加工する研究を進めて来ました。これらの研究成果を,牧研究室が幕張メッセで開かれた,見本市テクノピアに2000年と2001年の両年に渡り,産業共同を進めるパネルセクションに出展したところ,自動車メーカーのホンダ技研工業から共同研究の依頼がありました。この共同研究はパワーステアリングのラック&ピニオンにこの円弧歯形を用いるための研究です。

また、高級車には高速道路などでの直進が多いところではハンドルの回転が車輪の操舵角をそう大きくせず、ヘアピンカーブや車庫入れの際にはハンドルを切れば車輪の操舵角がどんどん大きくなるような工夫がされています。

それはラックのピッチを両側が中央部より大きくなるようにして達成されます。牧研究室では円弧歯形を用いてこのピッチの変化がスムースに行なわれるようなVGR をラック&ピニオンを円弧歯形できるようにマシニングセンタのプログラムを作成して加工できるようにしています。

 

自動車産業界では環境問題に対処するために各部品の軽量化やエンジン自体を燃料電池やモーター、モーターとエンジンを併用するハイブリッド・カーの研究に取り組んでいます。牧研究室ではハイブリッドカー・プリウスに使用されている遊星歯車遊装置を実際に設計製作しました。

その卒業研究の最中に日産自動車(株)の伝動装置部門の関連企業である富士市のジャトコ(株)を見学させていただきました.その折、日産ではハイブリッドカーや大型高級車の伝動装置として遊星歯車遊装置に変わるトロイダル無段変速機を開発してもうすぐ完成するというお話を伺い資料などをいただきました。そこでこのトロイダルCVTを実際に作るという研究に取り組みました。現実のトロイダルCVTはトラクション・ドライブという潤滑油の流体弾性潤滑のせん断力を伝動力に応用する非常に高度な技術を応用しています。そこで私達は乾性潤滑で重要な伝動部品にプラスチックスを用いて製作しました。これが実用できるかどうかは全く未知ですが、未知で不可能と言われることに挑戦することが研究の大きな目的であるとして乾式トロイダルCVTの製作・実用に向けて研究をすすめています。

 研究は挑戦であって、また研究の実現にはっきりした計画はたたないというのが牧教授のモットーでもあります.

 

                                         

                                                     現在のAT車に用いられている遊星歯車遊装置(上図)と

                                                         ハイブリッドカー・プリウスに使用されている遊

                                                星歯車遊装置(下図)

                               

乾式トロイダルCVTの完成品

 

 

 

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