総括・平成大不況

           

[1] バブルへのプレリュ−ド

  「バブル崩壊」というマスコミ用語が示すように平成の大不況は、バブルの崩壊によって生じた。そこでまずこの[1]では、バブル発生の前兆を述べ、次の[2]でバブル発生の直接的原因とその崩壊の要因を、そして[3]で、なぜ10年にもおよぶ長い不況に陥ったのかが明らかにされる。これによって上記のマスコミ用語の意味内容も理解されよう。

 

[2] 平成不況の第一ラウンド

1) バブルはなぜ発生したか

<バブルとは>

Bubbleとは本来は泡のことであるが、経済では資産価格がファンダメンタル(経済の基礎的条件)より決まる価値以上に期待などによって膨れ上がることをいう。花見酒の経済ともいわれる。

 

 2) バブル崩壊のきっかけ

 

 3) 複合不況はなぜ長引いたのか H.3(91).2からH.5(93).1032ヶ月)

<複合不況とは>

在庫循環的不況にバブルの崩壊による不況が合成された新型不況である。在庫循環的不況の主要因としては、自動車や住宅等の耐久消費財の在庫過剰が上げられる。特に自動車産業の年間生産能力は平成2年度に1300万台まで膨れ上がり約300万台の過剰在庫を作ったといわれている。不況の1年目は2.9%、2年目は0.4%、3年目は0.5%とこれまでに経験したことのない低成長率で、長さは戦後2番目あった。低成長率は不況の深刻さを示し、長さはこの新型不況に対する政府の認識の甘さや対策の遅れを示しているといえよう。

 

[3] 平成不況の第ニラウンド

1)好況感なき景気(拡張期) H.5(93).10からH.9(97).341ヶ月)

 

2)なぜ突如戦後最大の不況がはじまったのかH.9(97).3から

 

<政府の役割>

 企業はバブルの時の強気の設備投資が今ではそれが過剰になり、また本業のために銀行などから資金を借りるのではなく、土地や株の値上がりで儲けるために過大な借金をした。このような過剰投資や過剰債務を抱えた企業に対して、日銀がいくら利子率を下げても、投資のための資金需要は盛り上がらない。

 また、家計はリストラの不安から、利子率の低下が貯蓄を減らし消費を増やすという方向には向かわず、逆に貯蓄をふやし消費を控えさせている。

 したがって、このような状況下では、日銀が行う金融政策よりも政府が行う財政政策の役割が重要となる。つまり、簡単にいえば、国民がお金使わない分を政府が使うという経済対策に効果が期待される が、これも今回の不況の直接の原因である銀行の不良債権問題を早期に解決させなければ、十分な効果を発し得ない。

<経営の変化>

この長い不況は、日本経済が高度成長期から決別する構造変化を伴った。したがって、高度成長過程で可能だった、終身雇用・年功序列賃金体系など日本的経営といわれてきたものが崩壊しようとしている。これからは、賃金の支払われ方が年齢給でなく、業績に見合ったいわゆる実力主義的になろうとしている。

<学生の変化>

 これまでの学生の就職は「業種選び」よりも「会社選び」であった。それは終身雇用制のもとでは、最初に就職した会社に一生勤めるという可能性が高いので、自分の適正に合った業種を選ぶというよりも企業名にこだわっていた。また企業でもそのような状況下では、文科系では特定の能力よりも「ジェネラリスト」を必要とした。それは大学生に特に専門的な学問を学ばせる動機を失わせ、大学生を遊ばせる土壌を生んだ。

  しかし、終身雇用制の崩壊・実力主義は、最初に入った会社に一生勤めるか否かわからなくなるので、「就社」よりも自分の適正に合った「業種」を選ぶ時代になる。自分の実力を発揮できる業種を選んでおけば、例え企業が倒産しても、自分自身は生きていけるのである。

  このような時代になると学生は単に基礎学力(=偏差値)を上げるということでなく、自分の適正に合った学問を修めることが重要となる。そうなると、これからの大学生は実力をつけるために今までのようにのん気に遊んでいられなくなり、大学の授業に期待するようになる。教師の方は、それに答えなければ、学生から見捨てられる時代がくる。

 

<なぜ不況が長引いたのか?>

 

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