人と環境に快適な「モノ」を生み出す力の育成

「モノ」を変化させる技術、化学。新しい特性をもった素材の開発、従来からある機能の高度化、環境保護に貢献できるリサイクルの実現化といった化学的発想力を身につけるため、実験・実習を重視したカリキュラムを設置。今後の産業界を支えていく実践的な知識と技術の修得をめざします。

実践的な化学技術者の育成を目指しているため、大学4年間を通じて、学生には
(1)化学の基礎知識の習得
(2)社会人力の養成
を課しています。
(1)はこのコースの専門分野ですから学ぶのは当然のことですが、(2)の社会人力の養成とは、技術者倫理、グループで研究を行う際の問題解決力、特許についての知識などを身につけることを指しています。あまり知られてはいませんが、世界で最初にプラスティック上へのめっき技術を実用化したのが関東学院大学なのです。北久里浜にある関東化成工業株式会社は関東学院大学の実習室が発展して設立された株式会社です。
関東学院大学はめっきの分野では有名な大学です。関東学院大学の材料・表面工学研究所は世界に誇れる研究所であり、今後はますますこの分野で躍進的な研究成果を出していきたいと考えています。

応用化学コースでは、現代社会を支える科学技術に興味を持つ学生を対象として、実践的な講義と実習を通して基礎および応用学問を深く学びます。また、問題の本質を見極め、論理的に分析し、主体的に解決方策を見い出すための適切な表現力と、他者と協働できるコミュニケーション能力を身に付けます。持続可能な社会・環境づくりに貢献しうる技能の取得を目指し、さまざまな分野で独創的に活躍できる人材を育成することを目的としています。この目的に基づき、次のような学生を求めます。
●応用化学コースの教育に必要な総合的学力(化学基礎や化学など)を有する。
●応用化学コースでの学修を強く希望し、継続的に努力しようとする固い意志を有する。
●科学技術に携わる者として、「清廉さ」「実直さ」「公共心」を有する。
●理工学が他者との協調・協力のもとに成り立っていることを理解し、自らの教養・知識・技術を持って人や社会、地域の持続的発展に貢献したいという意欲を有する。

応用化学コースは、化学における実践的な技術者としての基礎力を学ぶとともに社会人力を身につけることを目標としています。そのため、以下のような学力の達成を目指します。
[知識・理解]
応用化学では、基礎分野(無機化学、有機化学、分析化学、物理化学、化学工学を5基幹科目)と発展分野及び実験分野並びに生命科学分野、先端科目分野(材料化学、表面工学、環境化学)及び卒業研究関連分野より構成されています。
基礎分野では、実践的な知識と理解を深め、発展分野では、さらに専門性を深めて実践的な知識を確立します。加えて基礎分野では、社会人力の養成のために、応用化学セミナーで技術者倫理、特許、品質管理等を学び、技術者として活動するうえで必要な手段となる語学力を応用化学英語で身に付けます。また、応用化学演習科目やそれらの科目の再履修クラスを設置して基礎力養成を徹底します。生命科学分野では、生命科学コースの専門応用科目により、他分野への門戸を広げ、より広い視野を養います。先端科目分野では、材料化学、表面工学、環境化学の3つの分野で構成し、各先端分野の実践的知識を身に付けます。
関連各科目において設けられた設定基準に対する達成度によって評価します。
 
[汎用技能]
技術者として必要とされるコミュニケーション能力及び基礎的な数量・情報処理技能とともに、社会の諸課題に対応できる問題解決能力の育成を目指します。関連各科目において設けられた設定基準に対する達成度及び卒業研究によって評価します。
 
[態度・志向性]
技術者として、グループ業務を行うために必要な自己管理能力及びグループワーク能力の育成とともに、技術者倫理の涵養を目指します。関連各科目、特にグループ課題となる各実習科目において設けられた設定基準に対する達成度によって評価します。
 
[総合的な学習経験と創造的思考力]
以上の3領域の学習内容に習熟し、新規の課題に対して、独自の考えをもって取り組むことのできる能力の育成を目指します。

理工学部理工学科は、教育研究上の目的のもと、次に掲げるすべての能力(4領域12項目の能力)を備え、所定の単位を修得した学生に学位を授与します。
 
<知識・理解>
1. 理工系社会人として必要とされる幅広い教養を身につけている。(幅広い教養)
2. 各コースの専門分野の知識と方法論を修得している。(専門分野に関する知識・理解)
3. 本学が立地する「神奈川」の歴史・産業・社会状況等の特性を理解している。(地域に関する知識・理解)
 
<技能>
1. 各コース専門分野の知識・技能を活用して、問題を発見し解決するための手法を適切に選択できる。(問題発見・解決力)
2. 専門分野において国際社会で協働できるコミュニケーション力を有している。(国際協働力)
 
<思考・判断・表現>
1. 他者がもつ社会的・文化的背景を理解したうえで、自分の果たすべき役割を判断できる。(多文化での共生)
2. 論理的な思考と倫理的な認識をもって、事象を判断することができる。(倫理観、公平・公正な判断)
3. 専門分野において自らの意見を適切な表現手段を用いて発信するとともに、他者の意見に耳を傾けることができる。(傾聴と発信)
 
<関心・意欲・態度>
1. 社会的役割を果たすことの意義を理解し、そのために進んで知識・教養・技能を高めようとする意欲を有している。(生涯学び続ける意欲)
2. 社会・地域・組織の一員としての役割を果たそうとする主体性を持っている。(社会参加への主体性)
3. 自らの果たすべき役割に責任をもってあたるとともに、様々な背景をもった他者を尊重して協働できる。(チームワーク、他者との協働)
4. 修得した知識・技能をもって社会に貢献しようとする態度を身につけている。(建学の精神の実践、奉仕動機)